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フットボールと人びと Arabic

アラビア語メディアのサッカー記事で読む中東地域の現在

代表の試合カフェで観戦、熱狂するダマスカス

ロシア・ワールドカップ出場をかけたアジア最終予選。各チーム4試合を終えました。日本はなかなか苦戦しているため、メディアでは悲観論が多く聞かれます。しかし冷静に考えれば、グループで2位までに入れば出場権を獲得できるわけです。現在、日本の順位は3位ですが2位との勝ち点差はわずかに1、まだ全日程の半分も消化していないことを考えると、さほど慌てたり、悲観したりする状況ではないと思います。ただ、わが代表監督の冷静さを欠いた振る舞い、選手の気持ちを顧みない発言の連続はなんとかなりませんかね。これだけは醜悪で見るに堪えません。

 さて、日本とは別の組、グループAも混戦模様です。4試合を終えた段階で、あの韓国が2勝1敗1引き分けで3位に沈んでいることは驚きです。それ以上に驚きなのが、シリアのがんばりなのです。実力ではグループで最も劣るとみられ、ぼくも一つも勝てないのではないかと予想していたのですが、1勝2敗1引き分けで4位、まだ十分予選突破を狙える位置につけているのです(2位以内に入るのは難しいかもしれないが、3位に入りプレーオフに進める可能性がある)。中国に勝ち、韓国とは引き分けに持ち込んでいます。

最終予選は、ホームアンドアウェー方式で行われていますが、シリアはイラクとともに、国内の治安状況を理由にホームでの試合開催はできず、すべてアウェーでのたたかいとなっています(ホーム扱いの試合は中立国での開催)。これは長期にわたる予選を勝ち抜いていく上で、大きなマイナス要素です。しかし、こういったハンデを負いながらでの現在の成績は、両グループを通じて一番の驚きと言ってもいいでしょう。

当然、シリア国内も盛り上がっているようで、今回紹介する短い記事は、代表の試合をともに応援しようというキャンペーンが行われ、当日には大勢の市民がカフェやレストランに詰めかけているという記事です。

戦時下とはいえ、ダマスカスの治安状況は安定していると言われていますが、それでも首都ではイスラム国などによる爆弾テロが散発しています。観戦のため、大勢の人が集まる場所は、当然テロの標的とされる可能性が高く、日本にいるわれわれがスポーツバーにくり出すのとはわけが違うことでしょう。

2007年のアジアカップでは、イラクが韓国に勝利し決勝進出を決め、その直後、バグダッドでは勝利を祝うため大勢の人たちが街頭にくり出したところをテロの標的とされ、多数の死傷者を出した事件がありました。シリアの人々の夢がこの先も続くことを応援しながらも、それが悲惨な事件を招くことがないよう祈りたいと思います。

 


 

元記事URL:

http://www.tasnimnews.com/ar/news/2016/09/03/1176467/منتخب-سوریا-لکرة-القدم-یعید-الحیاة-إلى-المقاهی-الدمشقیة

シリア代表の活躍で首都のカフェに活気戻る

タスニン・ニュース紙(イラン)
2016年9月3日

 

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(写真= TASNIM NEWS より)

 

ワールドカップ・アジア地区予選のシリア代表の初戦を観戦しようと、シリアの首都ダマスカスのカフェやレストランに、様々な年齢層の大勢のスポーツファンが押し寄せた。

ダマスカスでは、約5年前に始まった危機以来、公の場でスポーツに熱狂したり活気づいたりするような状況を見ることはなかった。危機の当初は、砲撃や爆破による恐怖が町を支配していた。しかし今日、シリア、とくにダマスカスの各地の通りにおいて印象的なのは、危機の度合いが大幅に低下し、人びとの中にはスポーツへの関心や、お気に入りのチームを応援する意欲や活気を取り戻したかのような光景だ。

過去30年で初めて最終予選に駒を進めたシリア代表は、人びとの心に、歓喜や幸福をもたらしている。人びとはSNSやインターネットスポーツサイトを利用して、代表チームの試合を見るため、大型スクリーンを設置した公共の広場やカフェをみんなで埋め尽くそうという大キャンペーンを張ってきた。

キャンペーンは好意的に受け止められ、試合当日、様々な年齢層からなる多くの人びとがダマスカスのほとんどのカフェやレストランに押し寄せた。初戦はウズベキスタンに0対1で敗れたものの、みんな祖国の代表に熱い声援を送った。

シリアは、最終予選において、イラン、韓国、中国、カタールウズベキスタンとともにグループAに入っている。