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フットボールと人びと Arabic

アラビア語メディアのサッカー記事で読む中東地域の現在

スレイマーン選手の死亡、FIFAや反政府勢力の反応

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(写真:http://www.syria-press.co/article.php?id=934より)

シリアでの戦争は5年目を迎えています。欧米や世界の有力なメディアは、開戦当初からアサド政権はすぐにでも倒れるだろう、という見方をくりかえししてきましたが、まだ持ちこたえています。今年春以降、劣勢になりつつあるとはいえ、まだ当分倒れるような状況ではないように思います。

自国民に対してミサイルや化学兵器を打ち込み、人びとの命を奪い、生活を根底から破壊しているこの政権が、なぜ持ちこたえているのか。よくわかりませんが、ある程度の国民が、それでも現政権を支持していることは間違いないと思います。積極的に支持しているというより、今政府が打倒されると、国家自体が崩壊してしまう。そうなれば状況は今よりもっとひどいことになると、考える人たちがいるのだと思います。

2014年5月に行われたシリア国民を対象としたある世論調査(http://www.orb-international.com)によると、「シリア国民の関心と要求を最も代表しているのはだれか」との質問に、35%がアサド大統領及び現政権をあげています。一方、アラブ諸国や欧米が「唯一の正当なシリア国民の代表」と位置付けているシリア国民連合をあげた人はわずか3%(自由シリア軍の9%と合わせても11%)で、アルカーイダ系のヌスラ戦線の9%、イスラム国(ダーイシュ)の4%にすら及びません(調査から1年ほど経った今、アサド政権軍が劣勢となりつつあるので、今調査をすると比率は多少違うかもしれません)。

国民の過酷な現状そっちのけで国外で醜い権力争いを、開戦以来ずっとくりかえしている反体制派に、国民は期待を託せないでいるのが現状なのだと思います。シリアには現在途方もない数の反体制派がいますが、いくら数が多くても選択肢となり得ないというのは、絶望的な状況です。

以下の記事で、反政府武装組織の爆撃で死亡した選手の事件に関し、反政府組織が発表した声明が出てきますが、これを読んでも、こんなことを言ってシリア国民は共感するのだろうかと思えてきます。

元記事

وكالة أنباء الثورة السورية

シリア・プレス

2013年2月23日

FIFA、ユースフ・スレイマーン選手死亡に衝撃

 

国際サッカー連盟FIFA)のジョセフ・ブラッター会長はシリアサッカー連盟のサラーフ・ディーン・ラマダーン会長にメッセージを送り、その中で、ダマスカスでのミサイル攻撃での、シリアの若き国際的選手であるユースフ・スレイマーン選手の死亡と、他の4選手が負傷したことへの衝撃を表明した。

先週の水曜日、ホムスを本拠とするワスバのフォワード選手が爆撃による負傷で病院に運ばれ死亡した。迫撃弾はティシュリーン・ホテルの中庭に着弾し、その破片がスレイマーン選手に命中した。一方、ナワーイルの4選手も負傷し、予定されていた両チームの対戦は中止になった。

ブラッター会長はメッセージの中で、「水曜日にこの痛ましい事件、一人のシリアのサッカー選手の命を奪い、他に4人選手を負傷させたとの一報を受け取ったとき、わたしは強い衝撃を受けるとともに、激しい悲しみを感じました。個人として、またFIFAとすべてのサッカーファミリーを代表して、この若い選手の家族、友人に対し、またシリアサッカー連盟に対し、心から哀悼の意を表します」

そしてブラッター会長を次のように付け加えた。「世界のサッカーファミリーはこの深刻な惨事において、彼らとともにあり、負傷した4人の回復を祈っています。また彼らが、力と勇気を得、一刻も早い回復がなされることを祈っています。われわれの心は彼らと彼らの家族とともにあります」

他方、自由シリアスポーツ協会は、現在のシリアの治安状況下において、リーグ戦を開催することについて何度も警告を発してきた、と述べた上で、フェイスブック上で彼らの声明を発表、スポーツ連盟及びサッカー連盟が、国内の各クラブに対し脅しを持ってリーグ開催に固執していることにも注意を喚起し、この過程で、国際社会において首都ダマスカスの生活は平穏であるとの欺瞞的な先入観をうんでいると指摘している。また、リーグの開催は去年からストップしているFIFAからの補助金の獲得が目的だとしている。

また協会は次のように付け加えている。各クラブはリーグ戦へ参加をするようあらゆる圧力にさらされてきたにもかかわらず、参加を決めたのは6クラブ(うち3クラブはダマスカスを本拠としている)だけだった。残りのクラブは謝罪した。これによりサッカー連盟は1グループのみによるリーグ戦の実施を余儀なくされている。サッカー連盟は不参加の各クラブに対し、次のシーズンのリーグ戦には参加するよう、いっそうの圧力をかけた。

自由シリアスポーツ協会は、マウフィク・ジュムア少将が会長を務めるスポーツ連盟とサラーフ・ラマダーンが会長を務めるサッカー連盟に、「ユースフ・スレイマーン選手の死亡と選手の負傷の責任のすべて」があるとしている。

公表されているところによると、自由シリアスポーツ連盟は昨年9月、フォーラム運営委員会のトップでユニセフ国連大使を務めたヤヒヤ・クルディーを代表としてドーハで設立された。会員には、ムハンマド・ヤースィル・ハッラーク、ナザール・ハラート、ムハンマド・ナッジャールが名を連ねている。また、シリア革命の開始以来今日まで、革命で殉死したシリアのスポーツ選手は110人を超えているという。